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Pentium4 は現役で使えるのか? 爆熱Prescottの復活記録【コラム】

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Pentium4は素晴らしいCPUだ。

性能よりもクロック、技よりパワーを地で行きCPUのギガヘルツ時代を一瞬にして当たり前のものにした歴史的アイコニックなCPUだ。何よりも物理的に熱い。Pentium4から溢れ出るCPUパワーは計算能力だけに留まらず筐体を加熱し、排気ファンはうなりのような風切り音をたてる。

Pentium4 CPUを搭載したPCのオーナーはキーを廻して腹の奥にまで轟くエンジン音を楽しむ高級車のオーナーと同じように、その圧倒的パワーが奏でるサウンドと周囲に吹き荒れる熱風にハイパワーマシンを所有する満足感を得たものだった。

というのはもちろん全くの嘘偽りであり、うるさく熱いパソコンにイライラや不安を感じることが多かったのが事実。

Pentium4 ブランド=NetBurstアーキテクチャは長く続いたが、シングルコアとその設計限界を露呈して後進のCore 2 Duoに道を譲ることになり市場から去っていった。

今のCPUはPentium 4と比べるともちろん高性能、排熱も少なく消費電力も少ない。ただPentium4は未だ俺の中である種のベンチマークになっているようで、最近のCPUに触れる時いつも「Pentium4 と比べると」もの凄い進化してるなと驚く。その内訳は「めちゃ静か!動いてるのか心配やん」ってな感じである。かれこれ10年以上繰り返している。

数年に一度はPentium4 マシンに触れたくなる。血の通った熱いパソコンを組みたくなる。どうもそんな時期が来たらしい。

今回は我慢できずリサイクルショップでPentium4のCPUとマザーボードを手に入れた。2020年を迎える現在でも通用するか遊んでみたい。

この記事がPentium4を「現役で使いたい」「復活させたい」という熱い意志を持つ皆様の参考になれば幸いである。

よみがえるPentium 4 マシンの構成

  • CPU:Intel Pentium 4 650 3.4GHz
  • M/B:Intel DP965LT
  • MEM:DDR2 SDRAM 4GB (1GB *4)
  • HDD:WDC WD800JD 80GB
  • GPU:HIS RADEON HD4670 IceQ GDDR3 512MB
  • 電源:SCYTHE SCY-500T-TG12 500W
  • ケース:SCYTHE GUNTER-BK ATX
  • Cooler:SCYTHE KABUTO SCKBT-1000
  • 光学ドライブ:DVD SuperMulti

このような構成となっている。Core 2登場前の栄光の時代の再現というわけではない。家に余っているパーツ古めの最下層パーツを組み合わせただけだ。(サイズ安くて大好きなのがバレる)

というのもPen4マシンはとっくの昔に処分していた。それも8年前くらいの話だ。「C2D系がこれだけ安く手に入るんだから、もう二度とPen4触ることねーな」とウキウキで売り払ったり、人に譲渡した記憶がある。バカバカ!俺のバカ!優等生なC2DとPen4じゃ「役割」が違うんや…

Pentium 4 650 3.4GHz Prescott-2M

今回もっとも重要なパーツであるCPUはPentium4 650 。近所のリサイクルショップで200円。5,6年前までならジャンクで山程見たPen4マシンも今や珍しくなってきた。タイミングが良かったのかCPU単品が何個かあったので適当にマザボに合致するものの中から最速3.4GHzの650をゲットした。

  • Pentium 4 650
  • クロック : 3.40GHz (200MHz x17)
  • L2キャッシュ:2M
  • コア数:1
  • スレッド数:2(HT対応)
  • マイクロアーキテクチャ:Prescott-2M
  • FSB:800MHz
  • ソケット : LGA775
  • PAE、XD-bit 対応

Pentium4 650 はPrescott(プレスコット)2M。第4世代のPentium4に該当する。2005年Q1リリースのPen4 時代後期の製品である。

Pentium 4の世代

ここでPentium4の世代と特徴についてざっくり私見で整理しておく。Pentium4は息が長いCPUであり、世代によって大きな差がある。

Pentium 4 の世代表

Willamette

最初のPentium4である。まだクロックが低く、Pentium Ⅲと比較してもクロック差の割には大した性能差がでなかった。最初期はRIMM(RDRAM)とセットで推されたがRIMMはまたたく間に消えていった気がする。

掴んだ人は可哀想。180nm(0.18μm)のプロセスルール。かなりの熱を持つCPUだ。自分の意志で最初に買ったPCにつけたのはこの世代のCPUだった。

Northwood

北森の愛称で今に至るまでPentium4軍団の中では好意的に親しまれる世代。

プロセスルールの改良で消費電力が少なくなり、発熱も改良した。順当にクロックを伸ばし最終的には3.40GHzにまで達する。前世代のWillametteどころか後継のPrescottよりも発熱が少なく扱い安いため、同クロックであればこちらを選ぶというユーザーも存在した。この世代よりハイパースレッディングテクノロジーが実装される。

Prescott 

プレス娘。Willametteから始まったPentium4の悪評を高めたのがこの世代。最高動作周波数は3.80GHzまで達する。とは言えこの頃からクロックの伸びが鈍化する。上位製品の消費電力は凄まじくTDPは100Wを軽く越え115Wにも達する。暖房器具などと揶揄されがち。この課題に対応するためintelは「クロック数を上げて高速化からクロックあたりの性能向上へ」方針転換した。

しかし「2019年現代に通用するか?」という観点ではこの世代の革新は大きい。

まだ中古市場に激安かつ潤沢に存在するDDR2メモリに対応、一部XD-bit対応、SSE3命令の実装などクロック以外の部分で高機能化が図られている。ちなみにSocket 478版のプレス娘もいるが、俺はお触りしたことはない。

Prescott-2M

今回のPentium4 マシン企画に用意したものはこの世代。名称からわかる通りPrescottの改定版。2Mは二次キャッシュの量。Prescottの1MBから一気に倍増の2Mとなっている。なお自分はこの2Mの文字を見る度に3Mのロゴが頭をよぎることが止められない病気に掛かっている。

消費電力を抑える仕掛けとしてEIST が搭載されている。 (しかし今回組み上げたマシンではアイドル2.8ghz程度までしか落ちない。当時はやっぱ高クロック命だったので極端な下げを嫌ったのだろうか?個体の問題なんだろうか?謎である)

その他はあまりPrescottから変化がない。振り返ってみるとこの時期のintelは市場をリードする製品の投入が遅れていたと思う。

丁度Ryzenに押されまくってる今のようだ。もっともCore 2の投入で一気に巻き返したわけで、次世代あたりのintel CPUは楽しみなわけで。歴史は繰り返すのか?

 CedarMill

さてPentium4 軍団の中では最後にして最もマイナーな存在であるCedarMill。(Tejasというさらにマイナーなものもあったがプレスコを上回る爆熱だったため開発中止になってしまった)

性能はPrescott 2Mと同一だが、65nmプロセスルールで製造されているため消費電力が小さくなっている。なんと後期D0ステッピングのものではTDPが65Wまで下がっている。常識的な範囲内と言える。

マイナーな理由として登場時期が上げられる。サクッと年表に書いた通り2006年Q1の発売。つまりは半年後のCore 2発売である。単純な性能変化が無いこと、上位にPentium Dが存在していたこと、すぐにCore 2が発売されたこと。Pentium4の中では最良でありながら市場での球数は少なめとなっている不遇な世代がCedarMillである。

中古で手に入れるしかないCedarMillの651。球数が少ないためレア。できればこのCPUで組みたかったが、それではプレス娘ちゃんの爆熱を味わえない、Pentium4を今使う意味がないと思い直す。

現代に通用するPrescott-2M Windows 10はインストール可能

続けよう。一応目的として「サブサブサブマシンくらいとして使えたら」というものがある。現代に通用するか、つまり現役のOSが乗るかどうかは重要なポイントだ。

現役のOSの代表格はWindows 10。動作要件を確認しておこう。

プロセッサ:1Ghz以上のプロセッサ RAM: 32 ビット版では 1 GB、64 ビット版では 2 GB ハード ドライブの空き領域:32 ビット版 OS では 16 GB、64 ビット版 OS では 32 GB グラフィックス カード:DirectX 9 以上 (WDDM 1.0 ドライバー) ディスプレイ:800x600

一見プロセッサのハードルは低いように見えるが、ここに書かれていないポイントがある。

「PAE、NX(XD-bit)、および SSE2 をサポートする、1 GHz* 以上の CPU」

この1文はWindows 8の動作要件では書かれていたものでWindows 10でも引き継がれている。PEAやSSE2はXP世代のPCならほぼ要件を満たす。

問題はXD-bitへの対応となる。Pentium4でもPrescott世代のCPUから実装が始まっているがPrescottのLGA775でも対応状況はマチマチなので注意が必要だ。Prescott-2M世代ならば全ラインナップにおいてXD-bitへの対応がなされている。今回のPentium4 650は現役最前線のWindows 10を動かすためのラインはクリアしているということになる。

※追記参照:64bit版 Windows 10はインストールできない。PrefetchW、LAHF/SAHFのサポートがされていない。

ただし今回のマシンでWindows 10を最終的に乗せるかは分からない。手持ちのPCをアップグレードしまくったためWindows 10 PCに溢れているからだ。文句を言われがちなWindows 10であるが個人的には歴代Windowsの中でも不満点が少ない良いOSだと思う。ただしローリングアップデートを除く。

このような遊びに使うPCは他に何台もあるのだが、電源を久しぶりに付ける都度、更新用プログラムがバックエンドで走ることになる。HDDアクセスが頻発し、彼らが持つ本来の性能を発揮できないのだ。それも含めて性能不足ということだろうが古いPCでは特にイラっとする。

まずは即使える軽量Linuxで動作確認した後、Windows 7をインストールするとしよう。

なおWindows 7のEOLは2020年1月14日、僅かな期間が残されているだけだなのだが、そのころにはこのマシンにも飽きているだろう・・・問題なし。

マザーボード Intel DP965LT

マザーボードはこちら。Intel DP965LT である。

⇒⇒⇒ DP965LT 製品仕様

上の公式ページのフォームファクタ欄はMicroATXとなっているがATXが正しい。(確かに右側はスカスカしてランドにも余裕があるのでMicroATXに収めることもできただろうけど。つーかP965じゃなくてG965系の製品と間違ってるのではなかろうか)

LGA775

LGA775

ソケットはLGA775である。Prescott期のPentium4から第2世代C2Dまで使われていた息のながいソケットだ。もっともどのCPUが乗るかで重要なポイントはチップセット。チップセットはP965 Expressが搭載されている。

Intel P965 Express チップセット

965チップセットは幅広い範囲のCPUをカバーする優秀なチップセットだ。FSB 533Mhz のPentium4 から FSB 1066MhzのCore 2 DUOまで対応する。現在の短命で互換性を切り捨てるintel チップセットにも見習って欲しいかぎりだ。遊べる範囲が広いのはありがたい。

CPU:Pentium4 PentiumD Core2Duo Core2Quad Core2Extreme FSB:533Mhz 800Mhz 1066Mhz

LGA775のCPUならFSB 1333の第二世代C2Dを除いてカバーしているということになる。今回のDP965LTマザーでの対応CPUはこちらで確認できるが、まさに選び放題。

DP965LTはintel 謹製なのでE7400などのFSB 1066でも第二世代C2Dは厳密に弾かれるかも知れないが、他メーカー製ではBIOS更新等で第二世代C2Dまでサポートする965チップセット搭載マザーも多い。幅広く遊べて良い時代のチップセットだった。

背面インターフェース

背面のインターフェースはかなり時代を感じる古臭いものになっている。P965はグラフィック機能を持たないため、VGAやDVIポートは存在しない。USBは当然2.0まで。現代に通用するという観点では疑問がある。

メモリスロット

重要なポイントはメモリスロット。DDR2スロット4つ搭載でDualチャンネルにも対応している。50円で購入できる1GBモジュールをガッツリ搭載できるのは嬉しいところ。

対応メモリ:DDR2 533/677/800

DDR2 800を使用する場合は4GBまでしか認識できない。DDR2 533/667のメモリであれば8GBまで認識できる。混在させるときは注意した方がいい。仕様を確認せずにザクザク刺していったらハマった。

PCI & PCI Express

PCI Express ×16 1スロット PCI Express ×1 3スロット PCI 3スロット

ATXマザーだけあってたっぷり拡張可能。前述した通りマザーボードとCPU自体にグラフィック機能がないためグラフィックボードは必須。

SATA + IDE

スカスカゾーンにあるSATAとIDEポート。なぜか懐かしい。

以上でDP965LTの紹介で終わり。近所のリサイクルショップで300円。これでも今更高いが動作品ならば悪くはないだろう。

パーツを組み込みする

それではパーツを組み込んでいこう。

グラフィックボードはRadeon HD4670搭載の「HIS RADEON HD4670 IceQ GDDR3 512MB」を使用する。2スロット占有するが静音性を高めた製品で好きだった。その辺に転がっていたので流用する。

CPUクーラーはサイズのカブト「SCYTHE KABUTO SCKBT-1000」だ。これくらい大きければPrescott-2Mの発熱もカバーできるだろう。サイズの厨二臭いネーミングは最高だ。KABUTOはかなり流行ったように記憶している。今の虎徹も凄い勢いだけど。

サイズ オリジナルCPUクーラー 虎徹 Mark II

サイズ オリジナルCPUクーラー 虎徹 Mark II

  • 発売日: 2017/06/02
  • メディア: 付属品
 

  

メモリとクーラーとCPUファンを取り付けた状態。かなりデカイ。

電源はその辺に転がっていたサイズの500W「SCYTHE SCY-500T-TG12 500W」、ケースもその辺の押し入れに転がっていたサイズのグンター「SCYTHE GUNTER-BK ATX」を利用してマザーボードを収めていく。

配線はIDEケーブルやCPU近辺の4ピン電源コネクタ位置に難がありデカいクーラーも邪魔なためかなりのスパゲティインシデント。もっともまじめにやれと言うツッコミはさておき改めて現在のパソコンとの差を感じる。モジュラー式の電源ケーブルや背面配線機構の進化はすごいよな。美観とエアフローに大きな差がある。

もっともこのパソコンは熱いジャンキーな鉄の塊がコンセプト(だったけ?)なので、配線もこれくらいジャンクな方がカッコいいのでOK。

動作確認 ~ Pentium 4 は現在でも通用するか?

前置きが異常に長くなった。いい加減動作確認編に移ろう。

その辺に転がっていた軽量Linux CDでのライブ動作確認はできた。手に入れたパーツや眠っていたパーツも問題なく動作しているようだ。ということでしばらく常用する予定のWindows 7を入れていく。メモリも潤沢にあるので64bit版を選択。

Pentium 4 windows 7 64bit

Windows 7 のインストールも難なく終わった。やはり初期状態のWindows 7 軽い。俺はすでにWindows 10メインに移行しているためWindows 7のフィーリングは妙な新鮮さがある。フラットデザインじゃなくマテリアルっぽさが漂うAeroもいい感じじゃないか。

タスクマネージャーでは2つのCPUグラフが表示される。ハイパースレッディング効果もばっちりだ。

CPU-Z Pentium4 650

CPU-Z。Prescott-2Mでの目玉機能EISTだが、倍率14-17の間と高クロック帯に留まっており大きく消費電力を下げるものではなさそう。アイドル2800MHz~最大3400MHzで推移する。

HWモニター。マザーボードに問題点がありCPU温度が取得できない。DP965LTを使用している他のユーザーでも同様の報告が上がっていたので残念。後述のBIOSアップデートでも改善せず。プレス娘ちゃんの爆熱を視認できないのは悲しい。

Pentium 4 650のエクスペリエンスインデックス

Windows 7ということで懐かしの標準エクスペリエンスインデックスを動かしてみた。

プロセッサのスコアは4.4。参考までにWindows 7 当時に常用していたCore 2 Quad Q9550は7.3だった。明らかに遅いがOSを動かすだけではストレスは感じない。

ドライバの更新

Windows 7 をインストールしただけでもデバイスドライバ上で特に問題がありそうな項目は見当たらないが念のため最新のものを当てておく。

Intel ドライバはもうEOLとなっているようだが、ダウンロードは可能だ。

End Of Life - このダウンロード、インテル® チップセット・デバイス・ソフトウェア の廃止されたインテル® デスクトップ・ボード ボード9.1.2.1008は、2019年13日以降は利用できなくなり、追加の機能、セキュリティ、またはサポートされません。

2019年13日っていつだよ?って感じだが、ギリダウンロードが間に合ってよかった。

Radeon HD4670のドライバーも当てておく。Windows©用Radeon™グラフィックス・ドライバーの自動検出&インストールツールで簡単に対応できる。CCCも一緒にインストールされる。微妙にOCできたりする便利なツールであるがスタートアップ自動起動が邪魔で要らないと思う。

Pentium 4 マシンの使用感

用途はサブ(サブサブサブ…)マシンなので大きな仕事は求めない。主にはブラウジングや動画、音楽鑑賞、ゴミファイルの置き場、実験がメインとなる。

まずはYoutubeの鑑賞

動画にもよるが720pのHD動画なら再生は可能。駒落ちしてる様子はない。1080pの再生は無理があるようだ。しかし720pでも60FPSのものは厳しい、静止画になってしまう。

Pentium 4 で艦これ二期を遊ぶ

システムがFlashからHTML5に移行されたブラウザゲームの第二期艦隊これくしょん。これにより要求スペック上がりかなり数の古いPC提督が淘汰されることになった。C2D世代のノートPCなどオンボードGPUではプレイが厳しくなっている。

こちらはRadeon HD4670の効果が大きい。GPU-Zのグラフで確認するとGPUパワーをフルに発揮している。読み込みに多少時間がかかるのはCPUパワー不足だが、動作はスムーズでフレーム落ちしてる様子はない。プレイアブル。

Pentium 4 で Darksouls 2 を遊ぶ

Darksouls2 on Pentium4

ゲームも動かしてみる。ダークソウル 2 は2014年に発売されたビッグタイトルとは思えないほど、負荷が低いのが特徴。ロースペックなGPUでもサクサク遊べたりする。Sandy Bridge世代の低電圧CPU Celeron847のオンボードHDグラフィックスでも画質を下げれば遊べたこともある。初代ダークソウルの方は動かなかったりする。そのゲーム内容と同様負荷が下がっているようだ。

今回のPentium4マシンでも標準品質で普通に動かすことができた。プレイアブル。

Pentium 4 で ドラゴンクエストX ベンチ

Pentium4マシンのレビューなのかグラボのレビューなのかわからなくなっているし、これらのゲームで現代に通用すると言ったら駄目なのは分かってるが、ドラゴンクエストXベンチもついでに。

こちらは普通。正直思っていたよりもスコアが低い。Radeon HD4670はGeforce 9800GTの2/3程度の性能と認識していたが、実際は半分程度なのかも知れない。

使用感

シングルコアCPUだが予想していたよりはサクサク動く。3.4Ghzの高クロックが効いている印象だ。Windows 7でもメモリ4GBの効果が大きいのかOS動かすのに不十分だという印象はない。

このブログを書く程度ならば普通にはこなせるが、やはり現代のCPUに慣れてしまうとワンテンポ遅い感は否めない。慣れればこんなもんかと気にならなくなるかも知れない。

マルチタスクはやはり弱いがゲームだけ、ブラウジングだけなど一つの作業に集中させればまだまだ戦える。

アップレグレードパス

ストレージをSSDに換装 さらに良いグラフィックボードへ換装 オーバークロック

SSDや良いグラボの導入とまだアップグレードパスは残されているのは魅力的だ。オーバークロックも試したいところであるが、そこはintel 謹製マザーの厳格なところかDP965LTで変更することは不可能だ。

発熱

やはり発熱はすさまじい。BIOSを立ち上げているだけでもかなりの熱を持ちケースまでもが熱くなる。電源部が特に熱いのは気になる。これは電源に起因するのかも知れないが。また背面ファンだけなく前面ファンを回すことも必須。暖房器具としてなら役にたつ。エアコンで冷えすぎた身体には程よいぬくもり、冬場ならしっかり足元を温めてくれるだろう。

DP965LT BIOS アップデート

Windows 7も動作し、一通りおちついたのでBIOSアップデートを試みる。

DP965LTはCore 2世代のCPUにも対応しているが、初期BIOSでは一部のCore 2 CPUにしか対応していない。Pentium4 で利用するには問題がないが、後日またCPUを換える遊びがしたくなった時のためにBIOSをアップデートしておこう。

元のBIOSは0816が搭載されていた。

Intel 公式ツールにてBIOSのアップデート

⇒⇒⇒ DP965LT BIOSアップデート

古いマザーボードのBIOSアップデートといえば苦労した記憶があるが、DP965LTはWindows上からBIOSの更新が可能である。

ダウンロードした実行形式のファイルをダブルクリックするだけでスタートする。特に迷うような部分はない。

このダウンロード、BIOSアップデート[MQ96510J.86A] 1709は、2019年11月22日以降は利用できなくなり、追加の機能、セキュリティ、またはその他のアップデートではサポートされません。

ただこの通り、ドライバーと同様にEOLがまさに2019年となっている。11月22日までサポートなのでギリギリ現役に間に合ったということで喜んでおこう。

BIOSアップデート完了後

最新版!と言っても2007/10/11公開の1709を当てることができた。このマザーボードは発売初期に文鎮化の恐れがある不具合が見つかっている。可能なかぎりアップデートしておきたい。

https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20060715/etc_dp965lterr.html

まとめ

2019年にPentium 4マシンを組んでみた印象だが「あれ?思っていたよりも十分に速い」ということである。

現在でも「シングルタスクなら使える!」と断言はできないが、まったく使えないというほどでもない。

後の時代に発売された Conroe Celeron とか、C2D SU系CPUとか、AtomやAMD-E350などの低クロック低消費電力系のマシンよりはよっぽど快適なのは事実。

ジャンク好きは今市場に出ている上記CPUの捨て値マシンを買って遊ぶだろうけど、その上でPentium4デスクトップに戻ってみてほしい。感心すると思うのでオススメ。

当時はVista期にさしかかる。OSが足を引っ張っていた部分もある。とくにVistaを動作させるのはPentium 4世代のCPUではキツかった。今回の検証ではWindows 7を導入したが、Windows 10ならより快適に動かせるのではないだろうか?

追記参照:と書いたがWindows 10では4GB以上のメモリがないと厳しい。その上でこのPentium4では問題がある。PrefetchW、LAHF/SAHFのサポートがされていないため64bit版はインストールできないようだ。

あわせてグラフィックボードは必須。この10年でGPUパワーが必要な処理、GPUパワーが有効となる処理は増えているし、まともなGPUさえ積めば当時よりも快適な使用感でPentium4マシンを扱うことができるだろう。

正当なCore 2 Duo 系マシンにはどうやっても勝てないのは確かで、それも含めてCore 2 の飛び級っぷりには改めて驚くんだけどね。

消費電力も発熱も馬鹿みたいに大きいので常用するには気になるところ。こうしてたまに動かして「英雄」が奏でるギガヘルツの息吹を味わうくらいが良いかも知れない。

さらばギガヘルツの英雄Penitum 4 !フォーエバーPentium 4!

余談

Pentium4 に限らない話。このようなサブマシンやジャンクマシンのレビューはまるでルールでもあるかのように「メール、ブラウジング、オフィス作業程度なら十分に使えます」と書かれたのが常なんだけど、少し時代が変わってきたのかなと思う。

問題はブラウジング負荷。かつてはどちらかというと軽作業の意でブラウジングが上げられていた。しかし現代のwebページ肥大化や高解像度動画、リッチすぎる広告、そしてデファクトブラウザのChromeはかなり負荷が高い。

低スペマシンではもっさり感が常に付きまとう。まったく見れないってわけじゃないけど、表示完了までの一呼吸が長い。やっぱもっとパワーが欲しいなと思ってしまうのが正直なところ。

Windows 10 64bit 版のインストールは出来ない

追記:

上記の記事を高揚感とともに書きなぐった。しばらくして試しにWindows 10にアップグレードしてみようと思い、メディアクリエーションツールからアップグレードを行ったところで問題が発生した。

LAHF/SAHFがサポートされていない PrefetchWがサポートされていない

この通りの理由のためPentium 4 650ではWindows 10 64bit版のインストールはできなかった。これはWindows 8.1から追加された制約のようだ。C2D世代とPen4世代には単純性能のみならず大きな壁があることを改めて確認。

32bit版ならインストールは可能だ。しかし32bit版はメモリ上限がある。3.2GBしかOS上で扱うことができない。Window 10というメモリを要するOSを動かすには発表当初の2015年ならまだしも2019年の今は厳しいと言わざるをえない。

 

結論が出た。

  • Pentium 4 は現在でも通用する
  • Windows 7 64bit版でメモリを潤沢につんで運用するのがベスト
  • しかしWindows 7 のサポート期限は2020年1月まで!!

 「通用する現在」というのは残り僅かな期間となってしまった。楽しむならば今のうちしかない。

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