AMD の新しいマイクロアーキテクチャーを搭載した新CPU「Ryzen(ライゼン)」 シリーズがいよいよ市場に投入される。
いつものAMDのこと、もっと時間が掛かるのではないか?と思っていたがすんなりと発表された。正直意外だった。(その上事前リークによるベンチほど良くないと言うセットがご愛嬌だったはずなのに・・・)
2017年3月1日 追記・更新
Ryzen 7 発表会
昨日サンフランシスコにて「Ryzen」の発表会が開催。社長兼CEOのリサ・スー氏によって発表された。余談だがこの方のプレゼンはとても良い。英語だが非常に聞き取りやすい。
発売日
- 2017年3月3日 (金)
日本では3月3日以降の発売となる。
発売されるのは Ryzen のフラッグシップ「Ryzen 7」の3CPU。このブランドに後ろについた「7」の数字は intel のCore i7 を意識したもの。
ここはAMD独自の矜持を期待する反面、対応させてくれた方が消費者にとっては分かりやすいという複雑な気持ちかな。
価格
- Ryzen 7 1800X: 59,800円 (税別)
- Ryzen 7 1700X:46,800円(税別)
- Ryzen 7 1700:38,800円(税別)
予価も発表されている。
Ryzen 7 1800X の性能は intel の core i7-6900K と同等、マルチスレッドでは上回る。しかし価格は半額なのだ。いかに衝撃的か分かる。
RYZEN 7 ~ CPUはどれを選ぶべきか?
この発表を見て久しぶりにAMD CPU で一台組んでみようか?と言う人も多いはず。
- Ryzen 7 1800X
8コア16スレッド TDP95W クロック 3.6Ghz ブースト 4.0GHz - Ryzen 7 1700X
8コア16スレッド TDP95W クロック 3.4Ghz ブースト 3.8GHz - Ryzen 7 1700
8コア16スレッド TDP65W クロック 3.0Ghz ブースト 3.7GHz
型番にXのつかない Ryzen 7 1700 のみCPUクーラーがセットで販売される。CPUソケットはもちろん新調される。Socket AM4 という新しいソケットが用意される。
やはりコストパフォーマンスが高い1700で手を打とうかと思いきや、1800Xの価格も近い。性能とご祝儀を兼ねてジャンプすべき?など悩ましい。(どれを選んでも良い選択になりそうなことは確かだ)
Amazon.co.jp での販売
AMD CPU Ryzen7 1800X AM4 YD180XBCAEWOF
Amazon.co.jp に登場 → 一瞬で売り切れ状態に。マーケットプレイス等で販売中
各ショップの状況
ショップでも特設ページが開設されている。パソコン工房などで全国的にお馴染みのユニットコムさん。Ryzen 7 プロセッサーの紹介に加えて、BTOパソコンも同日販売開始する。
AMD Ryzen ™ 7 1700,
with Wraith Spire 95W cooler
38,800円(税別) AMD Ryzen ™ 7 1700X
AMD Ryzen ™ 7 1700X
46,800円(税別) AMD Ryzen™ 7 1800X
AMD Ryzen™ 7 1800X
59,800円(税別)
AMD Ryzen™ プロセッサー | パソコン工房【公式通販】
対応マザーボード
CPUの情報は発表されたが対応マザーボードの詳細にまだ謎が多い。
ASUSでは4タイプのマザーボードを発表したが、出荷時期が3月中旬(!)とアナウンスされている。
CPUは潤沢にあるようなのでこれは少し残念。
ショップでの深夜販売なども企画されているためメーカーによっては発売日と同時に入手することも可能だろう。
しかしより吟味して買いたい場合は、CPUだけ先に購入しておくことになるかも。俗に言う「神棚に飾っておく」というヤツだ。
AMD Ryzen は買いか?
直球な質問だが「買い」だと思う。
AMD が久々に Intel を脅かすCPUを発表した。個人的には Bulldozer の時にかなり失望した。「もう二度と Intel に追いつくことはないのではないか?」とも感じていた。
だからこそ、よく舞い戻ったご祝儀と言う意味も込めて「買い」だ。
※8コア16スレッドというマルチコア性能は魅力だが、ミドルエンド価格帯のCPUがどうなるかも気になる。よりコストパフォーマンスの高いマシン作れるのでは?という楽しみも大いに味わいたい。
Intel の牙城を崩すか?
ここ数年 Intel CPU は驚くほど進化が無かった。
もちろんワットパフォーマンスやクロックの向上などで基本的な性能はあがっているのだが、かつてのような「新しいCPUを待って良かった」と心から思えるような製品が出ていない。
あえて言うと「AMDの歩みを待つかのように不自然なほどに成長していない」のだ。
Sunday Bridge や Ivy Bridge の更新時期が来ているが、案外「戦えてる」だけに買い替えを悩んでる人も多いと思う。(おまけに最近の円安でパーツの割高感パナイですよね~・・・)
ここに来てRyzen の登場は一部のハイエンドゲーマーをのぞいて縮小しつつある自作PC業界に取っても明るい材料になるはずだ。同時に Intel にもなんらかのアクションを起こさせるはず。おそらく黙ってはいない。
プライスダウン攻勢で圧力を掛けていくか、改めてひっくり返すような製品を生み出すか?
思い出すのは11~12年前、2005年~2006年の時期だ。
Intel はPentium 4の爆熱を持て余しており、CPUは電熱器と化していた。そこに颯爽と登場したのが Athlon X2 のデュアルコアモデル。あの時は確実に AMD が Intel を上回っていた。
さらに遡ってK6-2の時代を思い出す人もいるだろう。今回も明確にAMDのプレゼンスを確認できるのか? 非常に楽しみだ。
やはり一社独占よりも切磋琢磨しながらの業界の健全な発展を願いたいところ・・・
・・・というのはただの建前で個人的に大事なのはロマンだ。
「AMDのCPUでIntel PCに勝つ」というロマン。これを本気で買いたいのだ。
追記 Intel CPUを値下げしたショップも
インテル CPU が AMD Ryzen の影響で怒涛の値下げ!Kaby Lake と Skylake など現行品の大幅プライスダウンに。 - PTP ~ エキサイティングにいいモノがある
Intel CPU の大幅値下げが観測されたとのこと。
AMD Ryzen 公式サイト
世界180カ国の先行プレオーダー (日本はこの中にはいっておらず独自)
Ryzen Pre-Order
Ryzen キャンペーンページ
http://www.amd.com/en-us/innovations/new-horizon