自作PC講座 第三回:自作PCに必要な道具・あると便利な道具
自作パソコンの組み立てに必要なものは前回の記事で説明したとおり、最低限プラスのドライバーがあれば事足ります。
今回はどのようなドライバーがあれば良いのか?引き続き詳しく説明と、それ以外に自作PCの組み立てやメンテナンスを助ける便利な道具を紹介します。
組み立てに必ず必要な道具 プラスドライバー
自作PCの組立時の作業は電子工作のような難しいはんだ付けなどは不要で「ネジ留め」「スロット・ソケットへの差し込む」「ケーブル接続」の3つでほぼ完了します。
前回の記事で説明した通り簡単なのですね。
前回の記事はこちらです。
→→→ 自作パソコンは簡単!組み立ては意外と簡単でパーツは手軽入手可能
このうちネジ留めだけは工具が必要です。マザーボードや電源といった大物固定やケースによってはHDDやSSDなどの固定時に必要になります。
そう必要なものは普通のプラスドライバーで十分です。
100均のものも良いですが、もう少しだけ良いものを買っておくと精度やグリップ力が高いため安心して作業できます。
工具:基本 ベッセル No.220 ボールグリップドライバー
ベッセルのボールグリップドライバーです。大きさがほどよくこれあれば大抵の組み立てで事足ります。このドライバーが自作に適している重要な点の一つは「先端が磁石になっていること」です。
自作PCは小さいネジを扱いますが、ケース内でネジを落としてしまうこともあります。そのときにマグネットの吸着力で拾い上げることが出来るので便利です。
価格もAmazonであればホームセンター等で買うよりも安く手に入るのでオススメしておきます。
普通のドライバーに磁力を付加する
余談です。マグネット付きのドライバーではなく普通のドライバーしかない場合でも今持っているドライバーに磁力を付加することも可能です。
磁石とドライバー何度かくっつければドライバーが帯磁します。自作PC組み立てに小さなネジ程度なら拾えるようになります。
専用のマグネタイザーと呼ばれる製品もありますが、磁力付加させるだけなら大型スピーカーのマグネットでも十分です。
短いドライバー・小さいドライバー
あると便利 グリップが短いドライバー
グリップが短いドライバーもあると便利です。一度ケースに入れてしまうと部品を全部外さなければグリップの部分が干渉してぶつかってしまうため長いドライバーではな回しにくいという事態が起きることがあります。
このようなグリップが短いタイプのドライバーがあるとバラさずに回せて助かることがあります。自作PCの初回組立時というより部品の交換やメンテナンス時に役にたちます。
あると便利 経が小さいドライバー
たいていの作業は普通のドライバーがあればこなせますが、最近流行りのパーツである高速ストレージ「M.2.SSD」のネジ留めには小さいドライバーが必要です。
マザーボードやSSDにも簡易な小型ドライバーがついていることがありますが、無い場合は以下のような精密ドライバーセットがあると良いです。
自作PCの組み立てにあると便利な道具たち
基本的にはプラスドライバーだけでもなんとかなりますがあると便利な道具や工具を紹介しておきましょう。
工具:ラジオペンチ
締める・挟む・切るの用途に活躍するラジオペンチ。
ラジオペンチはマザーボードのスペーサーを後からしっかり固定したいときなどに便利。また奥に刃があるので切断にも使えます。コネクタなど挟んで一時的に保持しておく用途にも使えます。
このようなスペーサー付きネジは手でも回せますが、ガッチリ固定するならラジオペンチ。100均のものでも良いですが、精度が高いペンチの方がストレスなく利用できます。一度買ってしまえば何十年も使えます。
使い勝手を追求するならばエンジニアのようなブランドのペンチを用意してと良いですね。
工具:ニッパー カッターナイフ
ニッパーやカッターもあると便利です。自作PCではケーブルを結束バンドでまとめたりする時に余ったバンドを切るのがメインの用途。ラジオペンチの奥の刃でも代用できます。
自作PCパーツの外箱はフィルムでパッケージされています。またブリスターパックに入ってる場合もありますのでカッターナイフがあれば綺麗に取り出すことができます。
帯電防止手袋
静電気防止・帯電防止手袋もあると便利です。パソコンパーツは精密な電子部品で出来ています。メモリなどは静電気に弱いです。私は経験がないですが触る時に静電気で壊れてしまうこともあります。
帯電防止手袋の効果
- パーツを静電気から守る
- 指を守る
- 作業時のホコリや皮脂などの汚れから守る
パーツ以外にも自分の指も大切です。パソコンのケースやCPUクーラー、グラッフィクボードのヒートシンクは金属で出来ています。作業中にうっかり手をきってしまうこともありますので自分の怪我防止にもなります。
私も何度か切ったことがあります。ケースのバリやヒートシンクで気づいたら手を切っていた。痛いしせっかく楽しい自作PCいじりなのにテンション下がりました。
LEDライト
PCのケース内は暗いです。ネジ穴の位置、コネクターの位置や向きなどが分からないことがあります。明るい部屋であっても、PC内部は黒く塗装されていたりするので見にくい。このようにLEDライトで照らして作業すると良いです。
懐中電灯タイプやペンライトタイプなど色々な種類のLEDライトがありますが、私は100円ショップのLEDランタンを使っています。
明るくて輝度も十分でPCケースの奥までしっかり照らしてくれます。
小物入れ・パーツケース
自作PC組み立て作業時には空のパーツケースが一つあると便利です。ネジやスペーサー、コネクタなどを一時的に入れておく場所として活躍します。
作業環境はネジが転がっても大丈夫な広々とした場所で
自作PCの組み立ては片付いた広々とした場所で行うのが基本です。ATXはケースは大きいですし、重い。向きをあれこれ変えて作業するので狭い場所だと苦労します。
何も置いていないテーブルの上や綺麗に片付けた床の上が良いでしょう。PCケースは金属製なので床を傷つけたり、ケース側が傷つくこともありますのでヨガマット等のシートがあればベストです。
起毛素材のカーペットなどは落とした場合にネジが見つかりにくくなり、探すだけでイライラするし時間を取られるので注意です。
予備のネジ
先程からネジの話が多いです。作業中に見失って探すハメになりやすいのです。最初の一台を作るときは紛失にも注意して、ネジとパーツは一対一で管理しやすいですが「交換を繰り返してるうちにこのパーツに付いてたネジがなくなった」という事態も発生します。
そんなとき用に自作PCの組み立てに必要なネジセットも発売されています。予め1セット用意しておくと慌てずにすみます。
■インチネジ (トラス頭) ×10個 ■インチネジ (平頭) ×10個 ■I/Oブラケット用インチネジ×10個 ■ワッシャーヘッドミリネジ×10個 ■ハンドルネジ インチタイプ×4個 ■ハンドルネジ ミリタイプ×4個 ■テーパーネジ×4個
■六角スペーサー インチネジ×6個 ■六角スペーサー ミリネジ×6個
ブロアー エアダスターで綺麗に
PCパーツは埃(ほこり)を吸着しやすいです。せっかく新品のパーツが埃まみれになるのは辛い。コネクタの隙間などに瞬く間についていきます。
クリーンルームで作業できれば良いのですが自宅ではそうも行きません。
カメラ用のブロアーや以下のようなエアダスターで吹き飛ばしましょう。
組み立て時だけでなくPCのメンテナンス時や掃除にも役立ちます。PC関連の掃除道具についても別途記事にする予定です。
まとめ
自作PCに必要なものは基本的にはプラスのドライバー。それ以外にもあると便利なものがいくつかあります。自作PCの組み立てはとても楽しい趣味で長い付き合いになります。一通り揃えておくのが良いでしょう。
自作PCの組み立てに必要な工具・道具
- プラスのドライバー:必ず一つは用意すること
- 短いドライバー、M.2 SSD用の小さいドライバー: あると便利
- ラジオペンチ:締める・挟む・切る と活躍
- 帯電防止手袋:たいせつなパーツとたいせつな指を守る
- LEDライト:明るく照らして作業
- ケース:ネジやスペーサーなど小さい部品の管理に
- ネジの予備:紛失しやすいので要注意
- エアダスター・ブロアー:埃を吹き飛ばす
ここまで色々な自作PC組み立てに便利な道具を紹介してきました。あると便利なものは自作PCライフの向上に役立ちますが「使う頻度が少なそう」「揃えると高い」と感じる人もいると思います。
そんな方向けにアイネックスより便利なセットが発売されています。
プラスとマイナスのドライバ、小さい精密ドライバー、金属のパーツトレイ、磁石、帯電防止手袋がセットになったものです。磁石もついてるのでドライバーを磁化することも出来ますね。パーツトレイもネジ等の部品を床や机に転がしておくよりずっと安心できるものです。
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